69話ネタバレ
主に鷹見兄弟の話
※鷹見兄弟に関してブロマンス表現があります。
2025/06/08
鷹見がキメキメにキメるとなった時に兄貴の髪型そっくりそのまま真似してるの本当に効く……ちょうど鷹見兄弟の過去編に入ったところまで読み返せるのもありがたい。
罪悪感とやってしまった失言の撤回ができないまま聞いた「普通に生きてくれ」は完全な決別と失望に聞こえていたから数話前の兄貴の顔は蔑むような顔で描写されていたんだろうな~とおもうけど、実際はただただ穏やかで寂し気な許しの顔だったの、泣いてしまうじゃろが~~ 兄貴の顔見れてないもんな……
兄貴は「己のおかしさ・異常性」に対比した肯定的な「普通に生きてくれ」だったんだろうとおもうけど、鷹見にとっては「特別ではない」という否定的な普通として響いちゃったんだろうな。
「俺がっていうか……」あたりの、やってしまった顔がほんとうにキツくて 好きだな……表現力の鬼? この時点でも謝れないまま、さよならも言えないまま大好きな兄貴と別れたの、人生の傷すぎる。
「周りの人もそう言ってたから…」の次のコマの兄貴の顔、よすぎ? すごい 許しじゃんな 諦観もあるとおもう 穏やかな諦観が…… それでも顔は穏やかなにいちゃんなんよ
兄貴は鷹見のこと周りに紹介する時に一回も恥ずかしそうな顔はしないで、自慢の弟って言いきっていて、対比がすごいよ…… 鷹見は一度周りからバカにされたからそれ以上もう言えなくなっちゃってるだろうし
まわりにヤイヤイ言われてかっこいいのにな……って思い返しながらぼろぼろに泣いちゃったりしていたことがあるのに、自分が一番認めたくなかった有象無象の言葉を他でもない自分で言ってしまったの傷すぎ
兄貴のバンドが大阪でちょっと有名になってきたときも、周りが盛り上がっているのを見てはじめて、あいつは見る目がなかった、やっぱりかっこいい、って自信を持ち直しているところも周りの人間ありきなんだよね(ずっとかっこいいとは思っているけど自信はなかったので)
兄貴は躁鬱のケがあるんだろうけど……というか兄貴はそもそも小さい時に母が出ていってしまった時点からの傷がめちゃくちゃデカそうだからそこが……そこから……なのかな 色々 バンドのメンバーが就活成功して上京しないって選択した時点で、あの時みたいに自分に力が足りないから置いていかれたと思っちゃったんだろうな 糸ちゃんが追いかけて何言っても聞こえないくらいショックだったんだろうなーて
でも帰宅して自分の弟がけなげに自分を追いかけてギター弾いてるの見て目に光が戻って穏やかに話しかけてギター褒めるあたり、兄貴も鷹見の健気さに癒されていたとおもうんだよなあ だからこそ別れる時に言われた鷹見の言葉は確実に兄貴を傷つけていて、あの時点で最後の希望・癒しだったであろう弟からのごく一般的な正論は、ものすごく寂しかったろうな でもそれ(普通)が苦しくない生き方だろうから自分から離れたところで普通に生きてほしかったのかもな 普通を外れた生き方が苦しいのは誰より知っているから
鷹見はずっと心の中では兄貴がずっとかっこよくて憧れだったけど、周りの声を無視できなくて、自分はかっこいいと思っているけどでも周りが……っていうのがずっとあったわけで つれえ でもずっと兄貴がかっこよかったのにな
糸ちゃんに対しての「幸せに生きてくれ」も鷹見に対しての「普通に生きてくれ」もきっと同じ意味で、自分みたいにならなくていいし自分みたいなのにこれ以上気を使ったり振り回されたりしなくてええんやでっていう愛情だと思うけど 苦しいよな
鷹見兄弟 す、すきだ~~~ 兄貴今どうしてるんだろうな……
2025/06/09
ふつうの軽音部69話ネタバレ2 鷹見兄弟とはとっち
はとっちを象徴する歌が閃光少女で、鷹見を象徴する歌が海と山椒魚なのべきべきに泣いちゃうだろ
「私は今しか知らないあなたの今に閃きたい」と「今なお浮かぶこの思い出はどこにも落とせはしないだろう」の対比、うつくしすぎる
鷹見の複雑な家庭環境もひっくるめて「ふつうの軽音部」としてえがかれているの、作者の感性だいすきだな〜とおもう。複雑な家庭って現代ほんとうにふつうだよな〜。これを特別ではなく、当たり前のように世の中に存在する普通の家庭のうちのひとつ、として切り取ってもらえるの、救われる気持ちがある。
超個人的な性癖で言えば兄貴がどこかですでにのたれ死んでいる方が描写としては好き(カスの感性)なんですが、これはふつうの軽音部なので、全然あとから出てきてくれるだろうな〜。好みは置いておいて、まともな読者としての感情で言えばもちろん鷹見と兄貴はまた再開して仲直りしてくれたらいいなあという願いはあるし、鷹見にはそりゃハッピーに音楽やってほしいので、いつか……あるといいな。会話は読者に伝えないで1コマだけ再開したコマがあるとかだけでもうれしいから……
正直ここまで鷹見の内面を見せてもらえるとおもっていなかったので今の時点で読者のわたしはかなり えっ そんな いいんですか? ありがとうございます……となっている。い、いいのか?おれたちに見せちまうの、もったいなくねえか……!?(???)
鷹見、このまま兄貴の件がどうにもならない限りどんなに今がハッピーでもずっと日の当たらないところで自分をころしている気がするから、どうにか今に目を向けられるようになるといいよな。プロトコル、今のところメンバー全員の感覚も近くていいとおもうので……まあごく普通の軽音部だとしたら数年後に誰かしら抜けるとかはあるとおもうけど。
わたしはあんまりはとっちのこと神と崇める方向性の楽しみ方は好きではないのではとっちにそういう思想を押し付ける気は無いけど、鷹見になんてことないことを言って少しだけでも心を軽くしてくれるのははとっちなのかな〜とはおもうので、いつかそういう展開が来るといいな。これは恋愛感情がどうのとかではなく、ライバルとしての言葉とか、同級生としての言葉とか、そういう軽さがいいなとおもう。
ただ、今鷹見がバンドを楽しくやれているきっかけは間違いなく田口だとおもうので、田口ってサイコーだぜ。ずっとそこにいてくれ。
2025/06/10
ふつうの軽音部、鷹見兄弟、などで検索をかける日々……皆さんお元気ですか?
お見かけしたpostの中に「カプかというとカプ寸前」という言い回しをされている方を見かけて、こ、こ、これだ……となった次第です。カプ寸前、見事な表現だな……。
肉体関係が見たいという感覚が0なのでそういう方向性ではなく、でもただの兄弟というにはあまりにも……。お互いに恋愛感情は100%なくて、それでも唯一無二で、お互いに相手が前向きな気持ちで自分を見てくれていたらなんだかあたたかくなるし疲れていてもふっと笑えてしまうような、そんな……そんな関係だったのにあの別れに落ち着いてしまうの、本当に……好きだな……どうしようもない。
ただわたしが闇寄りの趣向なので今一番見たいのは、あのやりとりをした上でも別れずに鷹見が半ば無理やり兄についていって、鷹見兄はバンドとバイト、鷹見は学生生活とバイトをし、二人暮らしで細々と暮らし、兄はバンド組んだり解散したりしつつ、鷹見は彼女ができたりできなかったりしつつ、兄の調子がいい時は楽しく過ごし、兄の調子がどん底の時は起き上がってこられない兄の様子をそっと確認しに来た鷹見が近くに腰を下ろして本を読んだり時々薬と水を飲ませてやったり言葉少なく健気に世話をするような仄暗いやつです。徹頭徹尾、お互いに性的な欲はない。これがビーエルなのかもうよくわからないけど、不健全なことは、わか、わかる。本編でこうならないからこそ……さ……
いたたまれなくなってきつつある。略語もわからない……
2025/06/11
鷹見が言い寄って来る女を毎回受け入れてお付き合いして兄足り得ない面(≒自分に似た普通な面)を見つけるたびに別れるのを繰り返しているの、やっぱり文脈じゃないですか?
毎日通話したがる普通の恋愛はダルいし、勉強なんかできないほうがいいし、将来設計ちゃんとしてると冷めるし、でも自分に言い寄って来る普通の女の子とは当たり前のように付き合うの、空虚な男すぎる 普通の女しか寄ってこないだろどう考えても
男女問わずすべての他人に対して「兄の面影がない」ことを感じてがっかりしているの出汁が効きすぎている
ていうか付き合った女の子が兄に似ていたら飽きないんですか? 絶対そんなことないだろ……でも別に兄と付き合いたいわけではないと思うし ただ日常生活で欠けてしまった兄というデカすぎる存在のかけらを少しでも浴びたいんだろうな 兄ではない人たちに兄を求めるな わたしは好きです
兄ではない人たちに兄を求めていること、兄が知ったら「アホやな〜そんなん俺ちゃうねんからそらそこに俺はおらんて」ってへらへら言いそうだけど、言ってくれる兄がいないからしょうがないね
わたしは二度と兄と再会できないどうしようもない一生引きずりエンドがドッ好みですが、ふつうの軽音部は過去との対峙や前進をしっかりえがいてくれる作品なので作中でなにかしら兄に関するいろいろを経て鷹見はちゃんと前を見て歩けるようになるだろうな〜とおもっています。
2025/06/12
鷹見は他人(主に女)が特別ではなく普通(=つまらない)な面を出してくると一気に冷めてしまうけど、竜季(鷹見兄)は他人が普通(=まとも)な面を出してくると自分の異常性にこれ以上付き合わせられないと感じて自分から離れるようにしているように見えるんだよな。
鷹見にとっては普通の反対は特別。
彼の言う普通が意味するものは、つまらない、尖っていない、常識から逸脱できずにとどまっていること。
竜季にとっては普通の反対は異常。
彼の言う普通意味するものは、まとも、平穏、常識から逸脱せずに群れの中でまっとうであること。
だからそもそも鷹見にとっての普通は蔑称で、竜季にとっての普通は褒め言葉で、ここがもう食い違ってしまっていたんだよな。この普通という言葉に対する価値観の差異をお互いが理解しない限り、この兄弟のすれ違いは残っちゃうよな。
そもそも竜季ってさらっと「母親が出て行ったのは自分が勉強も運動もできない(=まともじゃない、普通にできない)なんもええとこない子供だったから」というのが根っこにトラウマとしてあるとお出しされているので、普通の人間のように普通に学生して普通にバイトが続けられて普通に就職して普通に生きていければ、群れの中で誰かに置いていかれることもなく幸せに生きていけるはずだと信じているとおもうんだよね。だってそうじゃなかったら自分は置いていかれなかったはずだから。
バンドメンバーをクビにしたタイミングは「将来を考えてまっとうな基準で未来のために就職を選んだ」メンバーを目の当たりにした時なので、「自分の異常性(=周りと同じように普通のことが普通にできない)」にこれ以上付き合わせられないと感じてわざと酷い言い方をしたように見えるんだよね。
糸ちゃんのことも、「ええとこのお嬢様やし頭もええやろ(=俺と違って)」と評していて、糸ちゃんが「いい年していつまでスネとんねん」という返しがあったから、感性がまともだとわかっちゃったので離れたと思うんだよな。あと「自分もでかい家住んでるやろ」に関しては、あー確かになーそこからも離れないとなってなってその直後に家から出る直談判をしたとおもう。これはもちろん糸ちゃんが悪いとかいう話では一切なく、竜季の意固地というか、自分がまっとうになれないことに対するひねくれた意地ではある。糸ちゃんはかわいそうだよ。でも竜季はおそらくそれすら理解しているので、自分に付き合い続けようとしてしまう可哀想な糸ちゃんをもう解放してあげないといけないからこそ、一方的にバンドの解散を宣言して告白にも応えずフったとおもう。
そこまで理解して相手のためを思って自分から離れるところほんとひどい男だからね。好きですね。これ糸ちゃんだけにじゃなくて自分の弟にもやってますからね。この辺の、自分を大事にしようとしている人たちから逃げてしまうあたりも、自己防衛を感じなくもない。こんな自分のためにまともな人間を付き合わせているわけにはいかない、という自己肯定感泥水みたいな面がある気がする。相手がまともであればあるほど自分に振り回されず自分から離れて幸せに暮らしてほしくなるのかも。
鷹見が「兄貴には音楽で食っていける才能がない」と言ったことに対して「そうかもな」と言ったのは、糸ちゃんに伝えていた「俺には音楽の才能はない」に通ずる部分だと思うのでそういう自認はあるんだと思うけど、それを弟の前ではそれまで言わなかったわけで。竜季本人がメンタル弱いところを鷹見に徹底的に見せずにいたからこそ、糸ちゃんが兄のメンタルに対する心配をした時に鷹見はあんなにメンタル強い人もいない、と思っていたし。別れる直前にも「俺ほどの才能があれば」と発言したのは鷹見の前ではかっこよくて才能のあるミュージシャンでいたかったんだろうな。
でも鷹見が自分に対してただ心酔していたわけではなく、ファンでありながらも真っ当な意見をぶつけてきたことで、「自分(兄)に対する憧れがある上で、それでも常識的な真っ当な評価をぶつけてくる(=群れの中でまともに生きることができる思考の持ち主)」と認識し直したと思うんだよな。だから「ああこいつは自分と違って真っ当に生きられるんだろうなあ」っていう安堵と少しの寂しさが「周りの人もそう言っていたから」の直後の表情なのかなーとおもった。
だから直前までは「項希お前も東京遊びに来いよ」と言っていたのに、「普通に生きてくれ」で完全に手を離して穏やかに離れて行ったんだな。
竜季にとっての「普通に生きてくれ」は糸ちゃんに言った「幸せに生きてくれ」と同義で、そこには「自分のような異常な者から離れて」も含まれているとおもうので……そこに寂しさはあれど、まともな人間でよかった、という感情があるのかも。だから自分から離れて行かないといけないんだろうな竜季のなかでは。普通であることはいいことで、普通でいられないことは罪だと思っていそう。おい!やめな〜〜!
個人的な感覚としては、竜季の息の仕方って芥川龍之介や尾崎豊に近いものを感じるんだよね。本当に感覚的なものになるけど……ふつうの型にハマって生きていくことが難しくて、息苦しくて、自分らしく生きるためには世界が狭いんじゃないのかって、そういう生きざまを感じている。
竜季は甘ったれのクソバカと自分を蔑んでいたけど、それでも自分らしく生きるために何かを曲げることがどうしてもできなくて、他の人と同じ方法で呼吸をするのが簡単じゃないんだろうな。
竜季はそんな自分が嫌で内心では自己肯定感が低かったのに、鷹見はそんな兄(常識に囚われず自分のやりたいことを通す)だからこそ憧れたので、この兄弟って…………