2024/11/18
クソ村とでっけー愛の対比、良かった。
これは映画公開後わりとはやめ(11/18)に観に行った時の感想まとめ。
最悪環境をお出しされた上ででっけーーーーー愛をぼんとお出しされるとウワアッ ウワーーーー!!!!となる人間なので、よかった……我が子が生まれる世界をまもりたい親父殿、愛……だ。
親父殿の嫁ラブがずーーーっとあったので安心感もすごかった。わたしは嫁のいる者のビーエルが本当にダメ(カスなら別にいいけどカスじゃないならNG)なので親父殿、ずっと最高だった。ありがとう。ありがとう。夫婦がよすぎる、よすぎるよ……嫁の話をする親父殿のシーンいくらでも見たいよわたしは。
人間嫌いだった親父殿が嫁にほだされて人間と協力関係にまでなれるの、愛じゃんよ。愛。そしてそのでっけー愛を人間に話してくれるの、あったけえ〜〜。愛の話はだいすきなんだ。
水木さんも人間臭さとヤケクソの狭間がよすぎる……よすぎる。全体的に好きな要素しかなかったけどやっぱ鼻血たらしてズタボロになりながら「ツケは払わねえとなあ!」があまりにもよすぎた。サイコー!!意趣返し
クソ村のクソっぷりもかなりすきだったので最悪でよかったな〜最愛だよ。未来ある若人をよお……。最後のときちゃんのセリフがかなしかったけどよかった。救いはあった……。
水木さん記憶なくすしか1話に繋がらんよな〜とおもっていたので納得のエンディングだった。その上でフラッシュバックからのヒシッ……は世界線が違うんだな〜というのがわかってそれもよかったな。
特典もどっちもよかった。あたたかいよ……。
2024/12/09
以下はしばらく経って(12/9)から思ったことをつらつら。
いろんな夫婦と家族の形があったな〜ということ。メインどころはもとより、長田家もそうだし……さまざまな家族の在り方があったな〜。いいも悪いもないまぜの、さまざまな愛の形とその末路。
そういう意味では親父殿と嫁様の関係が本当にシンプルだったのかも。スタンダードという言い方はズルいけど、シンプルで素直だったな。お互いをただ大事にして子供をただただ大事にする夫婦だった。パワー。
愛を馬鹿にせず、真っ向から全肯定できる親父殿、あまりにもよすぎる。
ゲゲゲの謎の好きなところは親父殿が嫁様をだいすきでだいすきでだいすきで生まれてくる子供のためにクソみたいな世界すら救おうとするところ(愛)なんだけども、それに付随してもうひとつ。愛を知らなかった妖怪の男が、愛を知り人間を愛する妖怪の女に愛のあったかさを教わり、そしてそれを愛を知らない人間の男に伝えて、その人間の男が最後に妖怪の子供を抱きしめるところ……。本当にいい。わたしは愛情のことをバトンみたいに感じている部分もあるので、ストーリー構成が染み渡っていくようだった。
とは言っても、水木氏はもとより情に厚かったし、愛に対して無自覚なだけで全身ダイナマイトばりに情まみれの男だったとはおもいますが。名前を知らないだけだったよ。
煙草を要求されて2回目にあげてしまうところとかよかったな。口に含むものを人からもらうこと、人にあげること、そしてそれをくれた相手が見ている前で口に含むこと(ここが重要)は、信頼関係なり共闘関係なり、なにかしら共有するつながりがなければすんなりいくものではない(もしくはその信頼関係を利用して殺そうとするか、くらい)と考えているので、あのシーンはやっぱりすごくよかったな。お酒を分けてくれるところもあわせてね。同じ釜の飯を食う理論。信頼関係が築かれているにせよ、これから築くつもりがあるにせよ、そういう意識がお互いにないと成り立たないとおもう、同じものを口に含むということ。そういう意味では水木氏から親父殿には煙草を、親父殿から水木氏にはお酒を、と相互的に受け渡しがあって、その上でお互いに上機嫌になれたというのが仲間・相棒としての大きな一歩だったのかなーとおもう。
口に含む話で言うと、克典おじに水木氏が手渡してきた葉巻は同じ目的のために共犯関係を結ぶ意思表示のようなもの(克典おじとしては高いものや価値のある情報を分け合って仲間だとアピールする目的もあると思う)だったとおもうし、野心のために拒まず受け入れはするもののムセる(心地のよいものではない)という水木氏の葉巻描写がまたすごくいい味を出しているんだな〜。このあたりの関係の対比もすきだな。
水木氏は親父殿から見返りのない真っ直ぐでデッケー愛情を「愛」という言葉を添えて見せつけられたからこそそれが「愛」であると知ったろうし、最後に自分をまもるはずだったちゃんちゃんこを嫁様にかけてあげていたのもまた愛からくる行動だったのだろうなとおもう。その行動が水木氏の元来持つ情からくるものなのか、親父殿の気持ちを大事にしてあげた結果からくるものなのかはわからないけど……このあたり言語化してないところ上品だなーとおもう。ゲゲゲの謎を上品って言った!?
冗談はともかくとしてゲゲゲの謎の表現ってかなり下品さを回避しているなとはおもっている。今挙げた「ちゃんちゃんこをかけてあげた際の説明や描写がない(水木氏が何を想ってそうしたのかは明確にえがいていないが、その行動を視聴者は違和感なく受け取ることができる構成)」もそうだけど、他には「乙米様と長田の関係」や「あの家に生まれた子供たちの父親が誰か」など、明確に言葉にはされていないし描写や独白もないがおそらく「こう」なのだろうとわかるのがすごい……すごいなとおもう。一から十まで説明しきらないのに情報を出すのがうますぎる……すごい。だからこそかなり明確にお出しされた「当主とさよさんの間にあったなにがし」がぶっちぎりでおぞましいんだろうな。アクセント効きすぎ。あの村にある全てがキショすぎるのにな。わたしは最初期にお出しされていた「丙江さんが一度実家から出て駆け落ちしていたが連れ戻された」という流れがすべての真相がわかってからどれほどキショキショキショおぞおぞおぞい展開だったかと後から帰宅構成に鳥肌ぞわぞわした。あまりにもキショすぎる。
よかったな。よかったなというには、いい話か?という話ではあるんだけど、総合して映画としてすごくすきな話だったし構成だった。よかったな……。さよさんが男に怯える描写が特にないところとかもあざとすぎなくて怖くてよかった。誰も止めてくれる大人がいなかった、かなしい村の話だった。